ゴを着てみましょう

パリっと着こなされたゴほど、格好のいい民族衣装は、世界どこを
探してもなかなかないかもしれません。活動的で着やすいゴですが、
正装のときはキラよりもなお着こなしに気を配る必要がありそうです。
初めてゴを着る時には、ぜひブータン人に助けてもらいましょう。

■まず、準備するもの
ゴとテゴ(またはゴンとラゲー)
写真は、東洋一さん御提供の「セータ」という種類の伝統的な手織り生地を使ったゴです。
ゴは、手織りのものと機械織りのものがあり、素材や細工の細かさによって価格は大きく異なります。街の呉服店では既製品のゴがたくさん売られていますので、旅行者には買いやすいのですが、お洒落なブータン人は、たとえ機械織りのものであっても、生地を仕立て屋に持ち込んで仕立ててもらうそうです。すそと衿の内側には裏打ちをしますが、これは仕立て屋さんの在庫から、好みのものを選ぶことができます。
男性用のテゴは、ゴの下に着る丈の短い白いシャツです。袖が女性用のウォンジュと同じように長くなっており、長いそでをゴのそで口から折り返すしくみです。ただし、近年では若い世代を中心に洋服(シャツやTシャツなど)の上にゴを着ているケースが多く、簡単なつけそで(ラゲー)とつけえり(ゴン)を愛用している人が多くなっています。また、正装でない場合は必ずしも必要ではないので、普段はどちらも付けてない人も少なくありません。青いそで口をしている人がいたら、それはラゲーをつけていないためにゴの裏地が見えているためです。時に赤いそでをしている人を見かけますが、その人は在俗の僧「ゴムチェン」です。
下のゴの着付けでは、ジュルミさんがゴンとラゲーでの着方を紹介してくれました。

ケラとカム二

写真に写っているケラ(帯)は、ヤク毛で織られたものです。他にも綿や化繊素材のものがあります。女性用のケラとは違い、男性用のケラはシンプルな縞です。
下に敷いている白い布は、ゾンに入るなどの正装時に必要なスカーフ「カムニ」です。社会的な地位によって色が決められており、一般人は白です。

■その他、ハイソックス(色はゴとのコーディネートを考えて選びましょう)、ゴンとラゲーを留めるピンも用意しましょう。

*では、さっそくゴの着付けにトライ!*

指導・モデル/ジュルミ・ツェワンさん

まず、ゴをはおります。ハイソックスは、事前にはいておきましょう。 ラゲーをつけます。そでの内がわから通したラゲーをそで口にひっくりかえしてピンで固定します。長さは親指と人さし指を広げ、人さし指を第二関節まで曲げた長さです。 ゴンをつけます。ゴにぴったりと合う位置を確認して、ピンで固定します。 右前身ごろのダーツの中心の頂点を、左わき線のダーツの中心に重ね、左手で押さえます。

右側もあわせ、ここでいったん両手でひっぱって形をととのえます。前身ごろと後身ごろの長さは揃っていますか? そのまま両手で、ゴをひざたけまでたくし上げます。あまり短いと子供っぽくなってしまうので注意。 はこひだを作ります。一旦両側を折ってから、片手で一方のひだを持ち上げ、そこにもう一方の手を差し入れてひだを整えるようにすると上手くいきます。ひだが左右対称になるように。 ひだがくずれないよう片手で押さえたまま、片手でケラをとります。後ろからきつく巻き始めます。

さいごに残ったケラのふさは内側に折りこみます。 えり元をととのえて、ゴンが少しのぞくくらいにします。 わきのひもを結びます。これでゴの着付けはできあがり。

ゾンに入る時など、正装の場合に必要なカムニのかけかたです。まずカムニを広げて、真ん中3分の1のところを手に持ちます。 そのままはおります。 右がわをわきの下から回して、左うでにかけた反対がわの上に乗せます。このとき、一般人は、右端のふさが三本外側に出るようにします。 右はしをまきこんだ状態で左がわを肩にせおいます。

注1)そでの折り返しの長さは、身分が高いほど長くなります。上に紹介している長さは、一般人の長さとして、ブータンの礼儀作法『ディグラムナムザ』に指定されているものです。「身分相応」な長さになっているか、ブータン人に教えてもらうのがよいでしょう。
後ろ側にたれたカムニを前後からひっぱってととのえます。 出来上がり。正装の場合には、革靴も必須アイテム。

キラを着てみましょう


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