▲小学校の制服を着た男の子。■着物そっくりな民族衣装 ブータンの空港に降り立った私たち外国人がまず目を奪われるものは、道ゆくブータンの人々が着こなす、色鮮やかなキラとゴではないでしょうか。道ゆく人々が、ほとんど民族衣装を着ているのには理由があります。伝統文化を振興するため、ブータンではお巡りさんや軍人など一部の人を除いて、国民に民族衣装の着用義務があり、公の場では必ず民族衣装を着なければいけないことになっているのです。学校の制服も、オフィスでの仕事着も、野良仕事もみな、ゴとキラを着ています。また、各県ごとにある、県庁と僧院を兼ね備えた「ゾン」に入る時は、男性は「カムニ」という大判のスカーフをはおり、女性は「ラチュー」という帯状の紅いスカーフを肩に掛けるなど、正装には細かな規則が定められています。 ▼ティンプー・ツェチュにて、晴れ着のお嬢さん。ゾンの中で行われるお祭りなので、正装の「ラチュー」を左肩に掛けています。むかって右の女の子が着ているキラが「キシュタラ」、左の女の子が着ているのが、わりに新感覚のものですが、「オショム」、どちらもオールシルクで大変高価なものです。上着の「テゴ」も、そで口にのぞく「ウォンジュ」もシルクです。 |
■キラとゴのルーツは? ▼シッキムにて、チベット服「チュバ」を着たチベット人の子供。女の子の方は同じ布で仕立てた現代的なジャケットを着ているのでわかりにくいのですが、ウォンジュの上にジャンパースカート状の「チュバ」を着ています。 |
■お洒落なブータン人 今でこそ、普段着のキラやゴについては、インドから輸入された安価で軽く、洗濯のしやすい機械織りの生地が人気をはくしていますが(インドには、ブータン向けにブータンの伝統的な布地のコピーを機械で作る専門メーカーが存在しています)、手織りもまだまだ健在で、普段から自分や家族の着るものはすべて自分が織るという女性も珍しくありません。特に、ツェチュなどのお祭りで着られる「キシュタラ」や「オショム」などの晴れ着用キラは、現在も織り手が何ヶ月もかけて織り上げる、非常に手の込んだ織物です。 さてさて、ではキラとゴについてのうんちくはこのくらいにして、実際の着方を写真で御紹介しましょう。晴れ着にせよ、普段着にせよ、あなたもぜひ素敵なゴとキラを手に入れて、街を歩いてみませんか。ブータンが、より一層身近になることは間違いありません。下の写真をクリック! |
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